カテゴリー

記事検索

カテゴリーを選択
キーワード
日付
  • オリンパスOM-D

  • 婦人画報のおとりよせ(上横バナー)

    婦人画報のおかいもの

2015年3月12日(最終更新日2015年03月12日):

陸上

原翔太選手(上武大、高遠高出)スズキ浜松アスリートクラブへ。陸上短距離五輪代表目指しクラブチームでスタート

昨秋のアジア大会陸上競技に日本代表として初出場した長野県伊那市出身の原翔太選手(上武大4年、高遠高出)がこの春からスズキ浜松アスリートクラブで活動をスタートさせる。4年生でブレークした原選手は昨年5月の関東インカレ2部200メートルで日本歴代10位の20秒41の自己ベストをマークし、昨年6月の日本選手権200メートルで優勝。アジア大会は200メートルと4×100メートルリレーに出場し、初めて日の丸の重みを背負った。2010年に発足したスズキ浜松ACは、十種競技の日本記録保持者でロンドン五輪代表の右代啓祐選手などが所属。原選手は東京を拠点に活動する見通しで、来夏のリオデジャネイロ、5年後の東京五輪への歩みが始まる。

 

世界陸上へ。「歴代トップにならないと」

 

スズキ浜松AC入りは9月のアジア大会後に決まった。原選手の第一志望だったという。「(取材された)記事を見て評価していただいて、アジア大会後に合否をもらいました。(チームは)陸上に対して楽しみを持ちながら追求している印象だった。去年に入ってから何社か見て、最初に視野に入れていました」。午前中は仕事で午後に練習のスタイル。営業補佐として自社の車の魅力を伝えるなどの仕事が待っている。「陸上でも社会人でとしても成長できるかなと思って選ばせていただきました」と決断した。

 

レースに入るしぐさの意味を明かす原選手。左の掌で心臓の音を聴くという

 

1年前の春、原選手は卒業後の進路として実業団を希望していた。しかしそれは簡単なことではなかった。「実業団かクラブチームかというのは僕の中では小さなことというか。優先されるのは自分が陸上のできる環境を整えていただけること。そちらを優先して、試合は探せばいい」というのが考えだった。今度つかんだ待遇は正社員。定休日と土日が休みでトレーニングの時間は確保できる。学生のときよりは国内の試合が少なくなる。「海外試合は費用が掛かってくるのでマネジャーと話して交渉次第。少なからずサポートしていただければ」と原選手。クラブの選手は母校などで各自トレーニングを行っているという。原選手は拠点を東京に移し、味の素ナショナルトレーニングセンターで活動していく考えだ。「オリンピック強化選手が集まる場所。陸上も藤光(謙司)さんとかトップレベルの選手が練習している。その練習を見ながら、情報を共有しながらやりたいと思う。専属のコーチがついてくる感じではないので(クラブの)一般種目の監督さんや、今までの上武大の監督にもお世話になるかもしれない」

 

大学ラストシーズンのアピールは強烈だった。5月下旬の関東インカレ2部200メートルで日本歴代10位(当時)となる20秒41の自己ベストで連覇を達成し、6月上旬の日本選手権では代表経験選手を抑えて優勝。一躍脚光を浴びた。ついに日の丸を背負い9月のアジア大会代表に抜てきされた。1年前の春、「今年の記録次第ですけれど、やっと戦える状態になったので、トップでも戦えるようになりたい。それで(企業に)呼んでいただければと思っています」と話していた。インパクトは自分が考えた以上のものだった。結果を残して就職先を勝ち取った。「結果的に日本選手権で1位を取れて1番良い形になったのでよかった。それがなくても自分の精神を伝えていって、理解あるところにお願いしたいと思っていた」。群馬県南部に位置する伊勢崎キャンパスで学生生活を送った。「環境としては風が強く、夏暑い。厳しい条件ですけど、環境プラス個人個人で考えてやらなきゃいけない環境が僕の成長につながったと思います」。高遠高時代からインターハイ出場の実力はあったが、大学4年間でもっと奥底にあった潜在力を形にしてみせた。

 

長距離の選手が多くそろうスズキ浜松AC。昨年度の短距離選手は2人だけだが、「僕が入ることによってチームが組める。4継、マイルを目指そう、ということになりました。日本のナショナルチームでもリレーを組むことが多いですし、そうなるとスズキのチームでもやらなきゃいけない。自分のためにも盛り上げて行きたい」。今年は北佐久農高出身で、5月のセイコーゴールデングランプリ陸上2014東京の男子800メートルで1分45秒75の日本新記録を打ち立てた川元奨選手(日本大4年)も同期入社になる。

 

「世界を目指して歴代トップにならないと意味がない。そこを目指してやりたいと思います」。原選手の自己ベスト20秒41に対し、日本歴代トップは末續慎吾選手のアジア記録20秒03。入社後、すぐに大一番を迎える。4月18日から2日間、広島県で行われる織田幹雄記念国際陸上。「そこが世界陸上(8月)の選考の基本になる。話によると、織田で決まるようなもの。一番の山場はそこ」。3月のグアムなど、海外遠征も行って陸上シーズンへ準備を進めている。

 

原選手は帰省中、伊那市の陸上競技場でトレーニングを行った

 

高校まで育った長野県にももちろん思い入れがある。地元に帰ったときは主に実家近くの坂で走り、伊那市の陸上競技場で練習することもある。2月下旬に帰省した際も、ずっと親しんできた競技場でゆったりとアップし、徐々に加速して最後はトップスピードで駆け抜けていた。今後、陸協登録は静岡県になるが、国体はふるさと選手として長野県代表で出場したいと話す。「小、中、高と長野でやらせていただきましたし、国体はコーチにアドバスをいただいてお世話になりますので、中高生と一緒に僕も成長させていただければと思います」。世界を自分の手で引き寄せる。結果を出す前の昨年の春よりもトップアスリートの風格がそなわっている。

  • エプソンダイレクト

    エプソンダイレクト株式会社