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2017年6月16日(最終更新日2017年06月16日):

ソフトボール
高校

篠ノ井9人で獲得インターハイ。ライズ林華穂投手フライ12個。久保田彩加選手4回決勝打、長野商に1-0勝利――長野県高校総体ソフトボール6月5日3位決定戦・決勝

平成29年度長野県高校総体ソフトボールは6月5日、須坂市北部運動広場で女子の決勝と3位決定戦が行われた。決勝は昨秋の新人戦に次いで長野商と篠ノ井が対戦した。篠ノ井は1回表2死三塁のピンチを切り抜け、2回1死一塁で林華穂投手(3年)が長打を打たれたが味方の好守に助けられて先取点を与えなかった。4回、2番・宮﨑綾美主将(3年)、4番・小林真緒選手(3年)の内野安打攻勢で1死二、三塁の好機を築き、5番の久保田彩加選手(3年)が中前にはじき返して1点を先制した。林投手はライズ中心に気迫の投球で5回以降長野商打線をヒット1本に抑え、篠ノ井が1-0で勝利。2年連続のインターハイ進出を決めた。3位決定戦は下諏訪向陽が最終回に逆転し、市立長野に2-1で勝利した。 (リザルト)

 

小林真緒選手(3年)2回チーム初安打左前クリーンヒット。4回幸運内野安打。久保田彩加選手(3年)低めたたく無心の先制打――篠ノ井

 

 

ライズを投げ込む篠ノ井エースの林華穂投手(3年)はリリースのたびに「よしっ」と声をボールに乗せた。その声が終盤になるにつれて大きくなり、気迫で長野商打線に立ち向かった。投げ合う相手の飯島沙耶香投手(3年)は3年前の都道府県対抗全日本中学生で日本一になった長野選抜のエース。伊那東部中の林投手は3回戦でリリーフの機会があったが主役はMVPに輝いた松代中の飯島投手だった。対抗意識を見せることもなく「きょうは3年生の集大成だったので、今までいろいろなことがあったけど、きょうは楽しもうと思って投げました」。最終回はすべてフライ。二飛を滝沢花梨選手(3年)が下がって捕り、次はレフト。久保田美咲選手(1年)が2個続けて押さえ、篠ノ井が勝利の瞬間を迎えた。「上がったときは『打ち取った』と素直にうれしかったです」。打たせたフライは計12個に達した。投球を受けた宮﨑綾美主将(3年)は「ライズが結構浮いていて、向こうが三振したりフライを上げたりして、シフト通りにショートとかレフトにフライを上げられたと思います。逆方向に投げられて、失投はなかったと思います」と満点をつけた。林投手は「この球は絶対決めたいな、という球でポイントを決めて投げたり勝負球のたび」と語った。その集中力と気合が自然に「よしっ」の声となって出ていた。

 

序盤の林投手

 

序盤、篠ノ井打線は飯島投手を打ちあぐねて3回までヒット1本に抑えられた。初ヒットは2回裏、先頭の4番・小林真緒選手が三塁線を抜いて左前に運んだ。これが4回の攻撃につながった。先頭は2番・宮﨑主将。ショートに飛んだ当たりはやや正面だったが全力で一塁へ走った。微妙なタイミングながら足がまさって内野安打。「自分はちょっとアウトかなと思ったんですけど、捕るバウンドが1個多かったからセーフになったと思います」。打球が相手に突っ込むのをためらわせた。続く滝沢選手の三ゴロの間に二塁に進んだ。篠ノ井に運が重なった。小林真緒選手のピッチャー返しで飯島投手が逆シングルでグラブを差し出したが、それをかすめて打球は二塁方向へ転がってセーフ。内野安打で1死一、三塁となった。「全然イメージと違うボールが飛んでしまい、このチャンスでやってしまったと思ったんですけど、はじいたのが見えたので絶対セーフになると思って走りました」。捕る際に二塁走者をけん制する気配があり、野選と同じくらい重い内野安打になった。記録はヒットながら多くは望めないミスを相手から引き出した。「この回とらなきゃと思っていたんですけどアウトカウントが少ないときに回ってきて(打順が)5、6、7と続くので絶対セーフになろうと思いました」と小林真緒選手。当たりは良くなかったが走塁に気迫を乗せた。

 

4回裏、篠ノ井は先頭宮崎選手がショートへ内野安打

 

5番の2球目に小林真緒選手が走って1死二、三塁。最初の打席で空振り三振に倒れていた打席の久保田彩加選手は2-2からの5球目、低い真っすぐの球をたたいた。「中学のときからすごいピッチャーでヒットを打ったことがなくて、きょう初めて打ったヒットでした」。打球はライナーで中前に飛んで宮﨑主将を迎え入れた。更埴西中では長野選抜の一員として代打で出場していた。「飯島選手は結構低めの決め球で来るので低めを練習してきて、そのときの打ち方で打てたかなと思います」と話した。左打席の左脚を畳むように曲げて低いミートポイントをつくった。ピンチをいくつも乗り越えてやっと迎えた先制機だったが「プレッシャーはそんなになくて、私が打てるときはあまり考えないんですけど、打てたときは結構無心でした」。ドロップ系の沈む球を持ち味にしていた飯島投手から放った値千金の一打。工夫の成果が実って個人としても念願のヒットになった。宮﨑主将は「たぶん彩加なら打ってくれるかなと思いました。とりあえず0-0だったので『よっしゃ、1点だ』と思いました」

 

4回裏1死二、三塁、篠ノ井は久保田彩加選手が中前へ先制適時打

 

先制打の久保田彩加選手(右)と小林真緒選手はベンチで抱き合う

 

序盤、大きなチャンスはつくれなかったが、早い段階で小林真緒選手に初ヒットが出ていたことで打線の呼び水となった。「朝、バッティング練習をしていて、スイングで思い切り振りました。最近あまりバッティングが調子良くなかったのですが、自分は先頭が好きで、中に来たので思い切り振りました」。右打席で振り抜いた打球がクリーンヒットになっていた。守備でも要となって林投手を支えた。この試合の鍵となるいくつかのプレーに小林真緒選手が絡んでいた。

 

立ち上がりからピンチが続いた。初回は先頭打者に三遊間を抜かれて2死三塁のピンチ。しかしここを左飛に抑えた。2回は1死一塁で左中間に二塁打を打たれたが、小林南美選手(3年)からショートの小林真緒選手を中継して本封。「センターからすごくいいボールが入って、周りから「よしっ!」という声が聞こえて思い切り投げられました」。バックホームでバウンドはしたが、宮﨑主将が進路をしっかりブロックしたところにボールが入った。「けっこうぎりぎりのクロスプレーでやばいかなと思ったんですけど、キャッチャーがしっかり捕ってタッチしてくれました」と小林真緒選手。3回も内野安打から2死三塁まで進められたが遊飛。守りのリズムがさらに良くなって4回は初めての三者凡退。1死からの飛球をショートの位置から帽子を飛ばしてファウルグラウンドに走って好捕した。

 

2回表1死一塁、篠ノ井は宮﨑捕手が長打で突入する長野商・清水選手を好ブロック

 

好中継で先制を阻止した小林真緒選手(左)は滝沢選手と抱き合う

 

4回表1死、小林真緒選手はファウルグラウンドで遊邪飛を好捕

 

交代なき9人全員ソフトボール

 

流れは4回を境に逆転し、5回の攻防は1死一、二塁から滝沢選手の中前打。小林南美選手が本塁を突いたがバックホームに阻まれ追加点はならなかったが、6回にも2死から左越え二塁打の林選手を8番・宮尾優衣選手(2年)がセーフティーバントを試みて何とかつなごうという気持ちを見せた。ベンチでは「完全にこっちのものだからな」と盛り立てる黒岩卓監督の声があった。今春、前任の鈴木秀典監督からチームを引き継いだ硬式野球出身の新卒監督。「前の監督がやられていたことを生徒も良く分かっていた」と言い、自身も前監督とよく似た采配を見せた。飯島投手対策で「落ちるボールを徹底して打とうと、低めにバットを出すことを徹底した」と言い、守備面では相手打者の傾向に合わせてレフトとライトを頻繁にシート変更した。主にレフトを守った久保田美咲選手は篠ノ井西中で昨年全国中学ベスト4の主将。ソフトテニス出身のマネジャーでライトに入った杵渕由佳選手(3年)をカバーした。全員で9人。守備のとき、監督以外は空になる篠ノ井ベンチだった。

 

5回裏1死一、二塁、篠ノ井は滝沢選手の中前打で小林南美選手が本塁を突くも清水星捕手が好ブロック

 

「序盤の方はピンチが多かったんですけど、そこを粘れてワンチャンスで先制点を取れた。ピッチャーがよく投げてくれました。(2回の本封で)あれをとられたらずるずる行っていたと思います」と黒岩監督。県の決戦までの流れを考え、北信の決勝は林投手のライズを隠して小林南美選手を投手に立てて2-4で敗れていた。前日の準決勝は市立長野に最終回逆転勝ちし、2-1の締まった試合で勝ち上がってきていた。「試合中のけがが怖かったですね。没収試合で3年生が終わってしまうのが一番怖かった。県大会前はずっとマスク着用で、試合前には柔軟体操。練習試合で何試合も投げてひじとかが壊れたら怖かったですが、4月からとくに大きなけがもなく来られた」。念には念を入れた対策で9人しかいない状況を乗り切ってきた。

 

黒岩監督は飯山高時代に果たせなかった全国をソフトボールの監督1年目で率いることになった。「打撃面で課題がありますので、バッティングを見直したいと思います。ボクも全国は初めてなので、まずは1勝したいですね」と言い、昨年1回戦で敗れたときの思いも引き継ぐ。さらには「経験者が学校にいるみたいなので、これから人数を集めたい」と秋に向けてのチームづくりも並行して考えていく。宮﨑主将は「2年生と1年生が1人ずつで3年生が7人なんですけど、3年生がどうにかしないと、という気持ちが全員にあったと思います。一つ一つやっていこうというチームの雰囲気があり、一人ひとりに課せられる仕事が去年に比べると多いと思うんですけど、自分のできることをしっかりやって全国に臨もうと思います」と夏への抱負。小林真緒選手も「人数が9人しかいないので自分たちのやることを一個一個やっていこうと思います」と同じ気持ちだ。昨年全国で先発できなかった林投手は「その分も」の思いがある。「まだ時間があるので、その中で自分のボールを磨いていけたらと思います」。外野守備は綱渡りになるが、相手の打球を限定させるライズの威力をさらに一段グレードアップして臨む。

 

ベスト4校の声

 

島田汐莉主将(長野商3年)

1点取れるかなと思いましたが、あと一本が出なくて自分たちの実力がなかったんですけど、前半はしっかり3人で抑えられたりピッチャーのストライクが入ってリズム良く守れたのでこういうスコアになったと思います。きょうの決勝みたいにしっかりリズム良く守って(北信越で)チャンスで一本出して優勝をとりにいきます

 

伊東摩耶監督(下諏訪向陽)

(7回表2得点で逆転)粘りのスイッチが入ってみんなの気持ちが一緒になったかな。未経験者も入っていて個々のレベルはそんなに高くないんですけど、みんなで一緒にやってきました。(身体的など)能力の高い子たちが集まってくれて、せっかく北信越の切符をいただいたので一つでも勝ちたいですし、このチームで試合をするのが楽しいので1試合でも多くやりたいです

 

湯田坂奈々子主将(下諏訪向陽3年)

(3位は)自分でも信じられないくらい感動しました。きょう、調子が良くてちゃんとコースに投げられて抑えられました。ほとんど打たせるつもりで守りを信じ、(反撃を)しっかりやってくれるだろうなと思っていました。(市立長野に)1回も勝ったことがなくて「絶対勝とうね」と言っていたので盛り上がりました。北信越でとりあえずひとつは絶対勝ちたいです

 

静谷真佑主将(市立長野3年)

(4回に1点先制)2アウト二塁という場面でチャンスのときに打ってくれたので点が入り、みんな本当に頑張っていい試合でした。最後ミスの連続になっちゃって抑えられなかったのが痛いですけど、みんなよく頑張ってくれたと思います。この大会の反省を生かして(北信越は)引退試合なので一つでも多く試合ができるように頑張りたいです

 

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