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2016年6月5日(最終更新日2016年06月05日):

弓道

塩尻志学館、男子団体決勝13連続的中。落・代田貴弘主将皆中で16中-15中勝利。長野日大、準決勝競射生き残り女子団体初優勝。決勝14中-9中――長野県高校総体弓道6月5日

平成28年度長野県高校総体弓道は6月5日、長野運動公園弓道場で最終日の団体戦が行われた。男子決勝は塩尻志学館が1、2射目ともに横皆中で大前から13連続的中。落・代田貴弘主将(3年)が留め矢を中(あ)てる皆中で飯田風越の追い上げを振り切り16中-15中。1本差勝利で15年ぶりの団体戦インターハイ出場を決めた。女子は長野日大が初優勝。北信越ブロック代表で出場した昨年に続くインターハイとなった。決勝トーナメント進出を決める競射、準決勝の競射で生き残り、決勝は飯田風越に14中-9中で勝利した。 (リザルト)

 

塩尻志学館13連続的中に場内どよめき。中てるほど増す重圧「正直苦しかった」(塚原選手)「凜とした空気漂っていた」(宮島監督)

 

 

大前・市村和史選手(3年)が的の左寄りに最初の1本を中(あ)てた。これが塩尻志学館の13連続的中の始まりとなった。二的・沼田康暉選手(3年)、中・塚原潤也選手(3年)、落前・小岩井祐貴選手(3年)、落・代田貴弘主将(3年)と続いて1射目を横皆中。最初の拍手が起こった。1射目が3中だった飯田風越にも中りが来て2射目は皆中。しかし塩尻志学館の的中は止まらない。2射目も○を並べて2連続横皆中。拍手に加え、場内からどよめきが起こった。

 

市村選手

 

途切れることのない的中が相手との差を生む。しかし優勢になればなるほど逆に重圧になってきた。3射目の中・塚原選手は試合後に「正直苦しかったです。自分たちは学校(の練習)でもそこまで連続して的中したことがなかった。苦しいプラス驚きでした」と話した。しかし塚原選手はこの13射目を的に入れた。「負けたくないという気持ちが強くて、何としても勝つという気持ちでした。勝ち上がってきたと考えたら力が入ってしまう。一戦一戦挑戦者という感じでやってきました」。14射目、ついに塩尻志学館の中りが止まった。落前・小岩井選手の射が的を外れると固唾を飲んで見守った場内からため息が漏れた。「3本目、とりあえず中てなきゃと何も考えず気楽に行った」という小岩井選手にもやはり13連続的中は重圧になっていた。「観客の人にあ~と言われて、次は気楽に射てると思いました」。しかしこれを境に戦況が変わり始めた。飯田風越が3射目を4人的中で食い下がる。ここまで14中-12中。これだけ中てても大差にならない緊迫した試合となった。

 

塚原選手

 

小岩井選手

 

最後の4射目。塩尻志学館は大前から中が3人続けて外した。対して飯田風越は大前、二的が的中。ついに並ばれた。14射目を外した小岩井選手が思い出していたことがある。この春異動して行った前の顧問に「×が3つ続いたらお前が止めろと言われていた」という。相手に行っていた流れを止める小岩井選手の的中。飯田風越の落前も中ててきた。留め矢勝負となった。これを代田主将がしっかり決めた。「自分がこの流れを止めなきゃいけないと思いました」。16中-15中の白熱戦を塩尻志学館がものにした。

 

代田選手

 

塩尻志学館は中信5位から県大会に上がってきた。「実感が湧かないです。でも今まで一生懸命練習したし、大会で(優勝が)あってもおかしくないと思いました」と沼田選手。代田主将は「決勝で自分たちの力が出せているなと感じていました。とにかくたくさん射ってきたので、それを大切に忘れないようにしたことがきょうの結果につながったと思います」。冬から5月初旬にかけて部全体で20万本射ってきたという。市村選手は「後ろの人たちが絶対中ててくれると思った。2射目もすごく気楽で1射目と一緒。自分のリズムで射ちました。後ろの人たちにありがとうと言いたい」と話した。

 

沼田選手

 

この春から弓道部の指導に復帰した宮島正明監督は「相手の風越さんと一緒にいい雰囲気の中でいい試合ができた。我々もありがたかった。凜(りん)とした空気が漂っていて、この雰囲気を経験できただけでも感謝です」。稽古の数は積んできた。ここからは正確さと質を目指していく。「的中に関しては彼らは良いものを持っている。県の代表として恥ずかしくないように歩き方立ち方の体配を自信を持ってやらせたい。(インターハイで)技能優秀校を目指していきたい」(同)。市村選手は「これからの練習で今まで以上に目標を高く設定して決勝トーナメントに上がって優勝できればと思います」。かつて経験したことがない13連続的中と、16中-15中の高い次元の決勝を県でできた経験を生かしていく。

 

長野日大、崖っぷちからの女子団体初県優勝。支えてくれた人への思い、他のために引く弓を

 

 

いくつもの崖っぷちからはい上がって長野日大が県代表の座をつかんだ。北信大会は代表決定競射で何とか地区代表9校に食い込んだ。県大会も競射で辛くも決勝トーナメント進出を果たした。決勝トーナメント1回戦は須坂に1中差勝ち。伊那西との準決勝はリードを保てず9中-9中で競射にもつれ込んだ。この競射を二的・山﨑愛海選手(3年)、中・黒岩あこ選手(2年)、落前・吉岡愛珠選手(1年)の的中でものにした。これだけ苦労して上がってきた決勝で初めて14中-9中の差になって、苦しみ抜いての県優勝が決まった。女子は初の団体県優勝だ。武藤英見監督は「昨年は新人戦で県に進めていない。そこからどん底で、5月までチームもまとまらなかった」と話す。「いい子たちなんですけどお互い気を遣い過ぎて遠慮していた。北信大会からお互い気になったことはどんどん言い合うようになった」(同)。チャレンジ精神で向かって行く気構えがようやくできてきた。

 

決勝は1射目に準決勝の競射と同じく二的、中、落前が中てて2本リードした。2射目は中が外したが4人が中てて差は変わらず2本。3射目で大前・井堀希唯選手(2年)から3本続いてさらに2本の差をつけた。最後は個人戦優勝の落・五十嵐ももな主将(3年)が留め矢を入れた。

 

井堀選手

 

山﨑選手

 

黒岩選手

 

吉岡選手

 

五十嵐選手

 

五十嵐主将は「北信大会が20射5中から始まったので、とにかくチーム力の向上ということをもう一度。大会前の行動を見直しました。支えて下さっている人たちのために引こうと意識しました」。もう何度も死にかけた。失うものも怖いものもなかった。山﨑選手は「自分たちが弓を引けるのは、多くの人に支えられて引けているんだなと再確認したことが今回の結果につながっていると思います。(それまで)顧問の先生に教えていただいたことに対して自分たち部員が本気で向き合えていない部分がありました。先生の熱意に応えて行動面の見直しをし、みんなが進んで周りの人のために動けるようになりました」と話す。準備にあっては「抜け」「漏れ」がないか、お互いに確認し合ったという。

 

この先へ不安なく向かえるだけの県大会の成績ではなかった。インターハイへここからが大事になる。「気持ちで勝ち上がってきたところがありますので、もう一回射技の基本に立ち返って、基礎からやり直したい」と武藤監督。山﨑選手は「今回課題も出たので自分の弱い部分をちゃんと見直して、先生方や先輩方、部員のみんなに恩返しできるように、ほかの人のために引くという弓をやっていきたいです」。自分のための射にあらず。ここまで来ることができたのも他の支えがあればとの思いを胸に刻み、取り組んでいく。

 

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