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2017年1月13日(最終更新日2017年01月13日):

柔道

辰野、存在感増す秘めた可能性。最終到達目標女子団体インターハイ、男子団体北信越総体へチャレンジの冬――1月14日から全国高校柔道選手権長野県大会

第39回全国高校柔道選手権長野県大会は1月14日から小諸市武道館で行われる。団体は男子が5人の勝ち抜き試合、女子は3人の体重別点取り試合。辰野は男子が1人足りない中量級の4人で臨む。女子は48kg級の小池明莉選手から52kg級の吉澤綾選手、無差別級の峯坂麗美選手、山田梨乃選手まで全員1年生ながらバランス良く4人をそろえる陣容で11月の県新人戦は2位だった。2年生主体の男子は最終目標を今年の夏に置き、北信越出場を目指す。全員1年生の女子は来年夏、インターハイ出場を狙っている。

 

 

 

女子、目指せインターハイ仲良し1年生4選手――百瀬監督「殻を破らないかぎりは無理」

 

昨年秋新人戦は辰野が団体戦で急速な台頭を見せた。女子は総当たりの予選リーグを2勝1分けで通過し、決勝トーナメントの準決勝は松商学園に勝利した。相手のメンバーが1人不足していたが中堅戦を反則勝ちで拾い2-1。決勝で丸子修学館に敗れて準優勝だった。吉澤綾選手(1年)は「奇跡というくらいびっくりしました。(松商学園に)ふだん2-1で負けたりして悔しい思いをして、惜しいところで負けていたところにも勝てた」。予選リーグは長野日大、松代、上田西の顔ぶれだった。百瀬渡監督は「準決勝は本来1-2でうちが負けているケース。決勝に行けるメンバーではないし、行ける実力もない。(丸子修学館戦は)案の定0-3で負けてきた」と話し、県2位を順当な力とはみていない。新人戦以降は組み手と粘り強さ、技出しを速くすることを求めてきた。今度の選手権は「負けない、ということ。1点取られたら2点取らないといけない。勝ちにこだわるならとにかく負けない試合をしないといけないが、今は負けても次頑張ればそれでいい」。1年生4人の女子のゴールは3年の夏。来年のインターハイ出場が最終目標だ。

 

左から吉澤選手、峯坂選手、山田選手

 

辰野で5年目の百瀬監督は草創期の松本第一の出身で同高が初めてインターハイに出場したときのメンバー。少年柔道は名門の誠心館(塩尻市)だった。中学での指導を経て辰野に来たときは柔道をする生徒がいなかった。2年目に現在高岡法科大1年の小池早穂選手が入ってきて、3年のおととし個人の48kg級でインターハイ出場を果たした。1年生の小池明莉選手はその妹。女子は諏訪地区が中心で岡谷市体育協会、諏訪市柔道協会の出身だ。「一人の柔道部で私とマンツーマン。北信越は3位で本人も目指していた場所に何とか到達できてよかった」と百瀬監督。このころはまだ同好会だった。「姉がいたので影響が大きかった」とし、今のメンバーも「先輩がインターハイに行って良い試合をしたところを見習いつつ、日ごろから練習の内容を濃くやっています。大学の休みで辰野高に来てくれて、一人一人の個性に合わせて伸ばしてくれました」と吉澤選手。山田梨乃選手(1年)も「良くないところを注意してくれました」と言い、昨年は78kg級でインターハイ出場を果たした。あこがれの先輩の存在は部員たちの励みになっている。

 

「今まで部活がなくて知られていなかった」(吉澤選手)「とくに女子団体なんて初めて」(山田選手)という辰野柔道。女子は上級生不在でも4人力がそろったチームへ一気に大きくなって存在感を増してきた。ただし「人数は限界があるので、いるメンバーでどれだけ戦えるかだと思っています。急激に人数が集まることはないと思う。今これだけ集まっているのはラッキー」(百瀬監督)という陣容で、これから1年半かけて団体で全国を目指していく。

 

女子の4選手が入学してきたときの雰囲気はまだかわいらしくもあり、「最初はあまり練習になっていなかった」と百瀬監督。「それが少しずつ試合をしていく中で勝つ喜びを覚えて練習に取り組む姿勢がしっかり強くなってきた」。他校との合同練習でも恥ずかしくないだけの取り組み方を見せている。「少しずつ成長はしていると思います。年度初めに『2年後だ。3年の夏が勝負するときだから、それまではきつくてもつらくても我慢しろ』と話をした」という。「新人戦でたまたま2位になりましたが(実力的に)3番手4番手のチームにはなりましたので、上の強いチームにどう立ち向かっていくか。(全国選手権進出の)可能性はゼロではないので」とし、組み合わせで反対側の丸子修学館や松商学園に改めて立ち向かう態勢で選手権に臨む。一人一人が役割をきっちり果たすことが鍵となる。負けてはならないところで負けたとき、それを取り返すのは容易でなくなる。

 

吉澤選手は「女子はみんなすごく仲がいいんです。直した方がいいところは『直した方がいいよ』と言い合って、良いところは『いいよ』と言って楽しくやっています」と笑顔でチームの雰囲気。百瀬監督は「仲良しはいいが、そこの殻を練習で破らないかぎりは無理。練習のときまだまだ全力でやっていない」と苦り切った様子で話す。選手の意識と指導者の求めるものにギャップはあるけれど、可能性を秘めたチームの雰囲気は少しずつ出てきている。吉澤選手は「入学したばかりのころは試合に行っても相手にされないことが多かったんですが、組み手を強化したんですよ。お互い組み手を本気でやり合って、昔からライバルで来たので一人一人良いところを盗みながらやっています」。組み手は相手より先に取る。山田選手は「奥襟を持たれたら落として思い通りにさせない」と、1年生なりの奥義で臨んでいる。

 

新人戦から2カ月間、課題となったことに向き合った。「組み手の部分をもう一回見直したり、技を最後まで決めることに取り組んできました」と山田選手。選手権は「とりあえず決勝は行きたいです。まず気を抜かず、(初戦なども)最初から勝てると決まっている相手ではないので」(吉澤選手)「最初から全力で行かないといけない」(山田選手)。峯坂麗美選手(1年)は「組み手が苦手なので組み手を意識して技を掛けられればいいと思います。最後まで気持ちで負けないように、練習で技を教えてもらったことを全部出して頑張りたいです」。まずは今出せることを出し切ること。大きな声を出して、自分の得意技を出すことを目指していく。

 

男子、柔道通して学校引っ張るリーダーへ――百瀬監督「そうなってほしい」

 

1人足りない4人で勝ち抜き戦を戦う男子は北信越出場を最終目標とする総体まで「あと半年だぞ」と百瀬監督に活を入れられながら、この冬を真剣に取り組んでいる。県新人戦は予選リーグを3勝1敗で通過して過去最高のベスト8に進出した。しかし決勝トーナメントは東海大諏訪に0-5で敗れた。有賀仁主将(2年)は「私立の人たちは追い込みが激しくて、自分たちはそれが足りない。あきらめてしまうところがあった」と話す。夏、北信越は県ベスト4に進出する必要がある。そこを乗り越えるために「打ち込みなど日々の練習をしっかり集中して、お互いに高め合いたい。短時間の中で集中して、どれだけ質の高い練習ができるかだと思います」。一日の練習時間は短いが、日数では休みが週1日か2日で、学校の中では活動量の多い部活だという。小澤史苑選手(2年)は「短時間で密度の濃い僕たちらしいやり方で強くなっていけるか、それを目指しています」

 

小澤選手は生徒会副会長で有賀主将は文化祭実行委員長。学校の中ではリーダーとなる存在だ。小澤選手は「柔道部が(学校を)引っ張っているわけではないんですけど、有賀君が引っ張って(柔道部の)みんなの士気を高めています」。大会の成績面でも取り組む姿勢でも柔道部が学校を引っ張っていく存在になれるか。「そうなってほしい」と言う百瀬監督は「柔道を通しながら物事をいろいろな角度から考えられるようになっているのではないか」と2年生の成長をみている。柔道を通して人間的に成長すること。大会の成績だけでなく、辰野の本当の意味での到達目標はここにある。

 

左から上脇、鈴木、有賀、小沢の4選手

 

冬場はやや伸び悩んでいたところがあった。百瀬監督は「本人たち次第ですが、教えるべきものはほぼ教えている。あとは自分たちでどう考えてやっているか。私に追い込まれているような練習ではとてもでないけどダメ」と言い、なお一層の奮起に期待している。4人に安定感はあり、とられてしまうかと思われるところも我慢できるようになっているという。百瀬監督の指導を受けて、有賀主将は「的確で、技に入るタイミングを教えてくれます。わかりやすくてとても良い先生で好きです」。指導者を信じてついていくことができている。

 

上脇寿人選手(2年)は「新人戦のときはぶっ倒れました。けがでいい思い出がなくスタミナはつけないといけないな、というのがあります。緊張して弱気になっていた。気持ちがちゃんと持てていなかったというのがあります」と振り返る。その自信は練習によってしかつけられないことにも気づいている。唯一1年生の鈴木直浩選手は「中学とは違う柔道だなと身にしみて思った」という新人戦の経験。「中学のときのようにどんどん勝てはしないんだなと思いました」。しかしそれにめげることもなく、強い気持ちで試合に臨めるように取り組んでいる。

 

2年生が入ったころは、まだ同好会だった。有賀主将は「初めてキャプテンをやるので、最初は言うことを聞いてくれるか不安だったけど、指示のときにそれを聞いてくれる」と、リーダーシップに応えてくれる仲間たちをありがたく感じている。4選手は60kg台と70kg台で中量級のチーム。「とりあえず自分たちは体型がでかくないので、けがだけはしないように頑張って総体につなげたいです」(同)。百瀬監督は秋の成果を「4人でよく狙うべきところまでは行けたかな、というところです」と話す。試合の進め方が新人戦とは全く異なる選手権でどこまでできるか、真価を試しにぶつかっていく。

 

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